平成22年度 診療報酬改定の概要と解説

疼痛緩和ケアの充実

がんの疼痛j緩和のためには、身体的苦痛のみならず、精神的苦痛、社会的苦痛等を考慮する必要があることから、がん性疼痛緩和指導管理料において、緩和ケアに係る研修を修了した医師による指導を要件とする。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
B001 【特定疾患治療管理料】
22【がん性疼痛緩和指導管理料】
100点 【特定疾患治療管理料】
22【がん性疼痛緩和指導管理料】
【施設基準】
緩和ケアチームを構成する常勤医師が以下のいずれかの研修会を終了していること。
ア がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針(平成20年4月1日健康局長通知)に準拠した緩和ケア研修会
イ 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研究会(国立がんセンター主催)等
100点

地域連携夜間・休日診療料の新設

地域の開業医等との連携により、地域における多数の救急患者を夜間・休日に受け入れるための救急体制を整えている医療機関について、小児における場合と同様の評価を新設する。

区分 改定後 新点数
B001-2-4 【地域連携夜間・休日診療料】
100点

小児科救急外来の評価

地域の医師が参加することにより、小児科の初期救急体制を確保する地域連携小児夜間・休日診療料の評価を引き上げる。

区分改定前旧点数改定後新点数
B001-2-2【地域連携小児夜間・休日診療料】
1 地域連携小児夜間・休日診療料1
2 地域連携小児夜間・休日診療料2

350点
500点
【地域連携小児夜間・休日診療料】
1 地域連携小児夜間・休日診療料1
2 地域連携小児夜間・休日診療料2

400点
550点

在宅復帰後を見越した地域連携の評価@

地域連携診療計画において、退院後の通院医療・リハビリテーション等を担う病院・診療所・介護サービス事業所等も含めた連携と情報提供が行われた場合の評価を新設する。

区分改定前旧点数改定後新点数
B005-3【地域連携診療計画退院時指導料】
(退院時1回)

600点
【地域連携診療計画退院時指導料1
(退院時1回)
地域連携診療計画退院計画加算
【算定要件】
患者ごとに策定された地域連携診療計画に沿って、退院後の療養を担う保険医療機関又は介護サービス事業所と連携で行い、退院後の診療計画について、文書で退院後の療養を担う医療機関や介護サービス事業所等に提供した場合に地域連携診療計画退院時指導料1に加算する。

地域連携診療計画退院時指導料2
(退院後初回月に1回)
【算定要件】
@診療所又は許可病床200床未満の病院において、地域連携診療計画に基づき、地域連携診療計画退院時指導料1を算定する医療機関を退院後の患者に対して、外来医療を提供した場合に算定する。
A退院日の属する月の翌月までに、地域連携診療計画管理料を算定する医療機関に対して診療状況を報告すること。
600点

100点








300点

在宅復帰後を見越した地域連携の評価A

退院後のに介護サービスの導入や区分の変更が見込まれる患者に対し、見込みがついた段階から、入院中の医療機関の医師又は意思の指示を受けた看護師等がケアマネージャーと共同で、患者に対し、介護サービスの必要性等について指導を行うとともに、退院後の介護サ−ビスに係る必要な情報提供を行った場合の評価を新設する。

区分 改定後 新点数
B005-1-2 介護支援連携指導料
【入院中2回)

300点

【算定要件】

  1. 入院中の医療機関の医師又は医師の指示を受けた看護師・薬剤師・理学療法士、社会福祉士等が、入院中の患者の同意を得て、居宅介護支援事業者等の介護支援専門員と退院後に利用可能な介護サービス等について共同して指導を行った場合に、入院中2回に限り算定する。
  2. 退院時共同指導料の多職種連携加算(B005)を算定する場合には、同日に行った指導について、介護支援連携指導料は算定できない。

がん診療におけるがん診療連携拠点病院を中心とした連携の充実

がん診療連携拠点病院と地域の医療機関が、がん患者の退院後の治療をあらかじめ作成・共有された計画に基づき連携して行うとともに、適切に情報交換を行うことを評価する。

区分改定後新点数
B005-6【がん治療連携計画策定料】(計画策定病院(退院時))
750点

【算定要件】
がんと診断された患者で、がん診療拠点病院又は準ずる病院において、初回の手術・放射線治療・化学療法等のため入院した患者に対し、あらかじめ策定してある地域の医療機関との地域連携診療計画に基づき、個別の患者の治療計画を策定し、患者に説明し、同意を得た上で、文書により提供すこととともに、退院後の治療を連携して担う医療機関にたいして診療情報を提供した場合に、退院時に算定する。

区分 改定後 新点数
B005-6-2 【がん治療連携計画策定料】(連携医療機関(情報提供時))
300点

【算定要件】
がん治療連携指導管理料を算定した患者に対し、計画策定病院において作成された治療計画に基づき、計画策定病院と連携して退院後の治療を行うとともに、計画策定病院に対し、診療情報を提供した場合に算定する。

認知症外来医療の評価

認知症患者に対して、専門的医療機関において診断と療養方針の決定を行い、かかりつけ医がその後の管理を行うことについて、評価を新設する。

区分改定後新点数
B005-7認知症専門診断管理料(1人につき1回)
500点

【算定要件】
認知症疾患医療センター等の専門医療期間において、認知症の個別診断を行い、療養方針を決定して患者及び家族に詳細な説明行った場合に算定する。

区分 改定後 新点数
B009 認知症専門医療機関連携加算(月1回)
50点

【算定要件】
外来で管理している認知症患者について、症状が増悪した場合や定期的な評価が必要な場合に、専門医療機関に紹介を行う際の診療情報提供料(T)に加算する。

肝炎インターフェロン治療計画料の新設

肝炎治療の専門医療機関において、インターフェロン治療の計画を策定し、副作用等を含めた詳細な説明を行った場合に算定する。

区分改定後新点数
B005-8肝炎インターフェロン治療計画料(1人につき1回)700点

【算定要件】
肝炎治療の専門医療機関において、肝炎インターフェロン治療に関する治療計画を策定し、副作用等を含めて患者に詳細な説明を行った場合に算定する。
【施設基準】

  1. 専門的な知識を持つ医師による診断及び治療計画の決定が行われていること。
  2. インターフェロンなどの抗ウイルス療法を適切に実施できること。
  3. 肝がんの高危険群の同定と早期診断を適切に実施できること。

医薬品安全性情報等の管理体制の充実

医療機関における医薬品安全性情報等の管理体制に更なる充実を図るため、医薬品情報管理室において更に質の高い医薬品安全性情報等の管理を行っている場合に、薬剤管理指導料に加算を設ける。

区分 改定後 新点数
B008 医薬品安全性情報管理体制加算 50点

【算定要件】
薬剤管理指導料の初回算定時に算定する。
【施設基準】
医薬品情報管理室において当該医療機関における医薬品の使用状況を把握するとともに、医薬品の安全性に係る重要な情報を把握した際に、速やかに必要な措置を講じる体制を有していること。

肝炎インターフェロン治療連携加算の新設

肝炎治療の専門医療機関の策定した治療計画に基づき、インターフェロン治療を行っている医療機関が計画策定病院に対して診療情報提供を行った場合の診療情報提供料の加算を新設する。

区分 改定後 新点数
B009 肝炎インターフェロン治療連携加算(月1回まで) 50点

【算定要件】
肝炎治療の専門医療機関において策定された治療計画に基づいて、インターフェロン治療を行い、副作用等を含めた治療状況を計画策定医療機関に対して情報提供を行った場合に算定する。

薬剤情報提供料の後期高齢者手帳記載加算

現在、入院中又は入院外において使用又は投薬された主な薬剤や副作用の情報を、薬剤の重複投与や副作用の防止等の観点から、薬剤服用歴を経時的に管理できる手帳(いわゆる「お薬手帳」)に記載し、地域の医療機関や薬局で共有し、管理できるようにする取り組みを現行上評価している。
こした薬剤管理に係る取り組みは年齢を問わず重要であることから、対象者を全年齢に拡大する。
ただし、必ずしも「お薬手帳」への記載を要しない場合もあることから、患者の求めがあった場合にのみ算定することとする。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
B011-3 【薬剤情報提供料】

注2 後期高齢者手帳記載加算
後期高齢者である患者に対して、処方した薬剤の名称を当該患者の手帳に記載した場合に、所定点数に加算。
10点

5点
【薬剤情報提供料】

注2 手帳記載加算
処方した薬剤の名称を当該患者の求めに応じて手帳に記載した場合に、所定点数に加算。
10点

3点

医療機器安全管理料の充実

医療機器の安全使用を推進するため、医療機器の安全管理に関し、更なる評価を行う。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
B011-4 【医療機器安全管理料1】

【医療機器安全管理料2】
50点

1,000点
【医療機器安全管理料1】

【医療機器安全管理料2】
100点

1,100点

後期高齢者退院時薬剤情報提供料

後期高齢者が入院中に服用した主な薬剤の情報の管理が退院後にも継続的に行えるような取組を現行上評価している。
こうした薬剤管理に係る取組は年齢を問わず重要であることから、対象者を全年齢に拡大するとともに、現在では同趣旨の評価であるため弊算定できないこととされている薬剤管理指導料の退院時服薬指導加算と統合した評価とする。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
B014
【後期高齢者退院時薬剤情報提供料】
注 後期高齢者である患者の入院時に、当該患者が服薬中の医薬品等について確認するとともに、当該患者に対して入院中に使用した主な薬剤の名称(副作用が発現した場合については、当該副作用の概要、講じた措置等を含む)に関して当該患者の手帳に記載した場合に、退院の日1回に限り算定する。
100点

【退院時薬剤情報管理指導料】
注 患者の入院時に当該患者が服薬中の医薬品等について確認するとともに、当該患者に対して入院中に使用した主な薬剤の名称(副作用が発現した場合については、当該副作用の概要、講じた措置等を含む)に関して当該患者の手帳に記載した上で、退院に際して、当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合に、退院の日1回に限り算定する。
90点
B008 【薬剤管理指導料】
注 退院時服薬指導加算
患者の退院時に当該患者又はその家族等に対して、退院後の在宅での薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合は退院の日1回に限り、加算する。
50点 (廃止)
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