平成22年度 診療報酬改定の概要と解説

疾患別リハビリテーションの充実

心大血管疾患リハビリテーションについては、その実施により虚血性心疾患をはじめとする心疾患患者の長期予後を改善することが示されているが、その実施が可能な施設が全国で418施設と少ないことから、施設基準の見直しを行う。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
H000 【心大血管疾患リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 心大血管疾患リハビリテーション料(T)

【施設基準】
届出保険医療機関(循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る。)において、循環器科又は心臓血管外科の医師が常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。


200点
【心大血管疾患リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 心大血管疾患リハビリテーション料(T)

【施設基準】
届出保険医療機関(循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る。)において、循環器科又は心臓血管外科の医師が心大血管疾患リハビリテーションを実施している時間帯において常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
なお、心大血管疾患リハビリテーションが行われていない時間については、患者の急変等に対応できる体制を整えていること。


200点

疾患別リハビリテーションの充実

脳卒中等におけるリハビリテーションの重要性に鑑み、脳血管疾患等リハビリテーション(T)(U)の評価を引き上げる。また、廃用症候群に対するリハビリテーションについて、その疾患特性に応じた評価を行う。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
H001 【脳血管疾患リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 脳血管疾患等リハビリテーション
料(T)



2 脳血管疾患等リハビリテーション
料(U)




3 脳血管疾患等リハビリテーション
料(V)



235点




190点





100点
【脳血管疾患リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 脳血管疾患等リハビリテーション
料(T)
(1) (2)以外の場合
(2) 廃用症候群の場合

2 脳血管疾患等リハビリテーション
料(U)
(1) (2)以外の場合
(2) 廃用症候群の場合


3 脳血管疾患等リハビリテーション
料(V)
(1) (2)以外の場合
(2) 廃用症候群の場合




245点
235点



200点
190点




100点
100点

大腿骨頚部骨折をはじめとして、発症あるいは術後早期からの集中的なリハビリテーションが重要であることから、運動器リハビリテーションについて、より充実した人員配置を評価した新たな区分を新設する。

区分改定前旧点数改定後新点数
H002【運動器リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 運動器リハビリテーション料(T)

2 運動器リハビリテーション料(U)


170点

80点
【運動器リハビリテーション料】
(1単位につき)
1 運動器リハビリテーション料(T)

2 運動器リハビリテーション料(U)

3 運動器リハビリテーション料(V)

【運動器リハビリテーション料(T)の算定要件】
入院中の患者に対し、運動器リハビリテーションを行った場合に算定する。

【運動器リハビリテーション料(T)の施設基準】
(1)疾患別リハビリテーションを担当する専任の常勤医師が1名以上配置されていること。
(2)運動器リハビリテーションを担当する常勤の理学療法士、作業療法士等が適切に配置されていること。
(3)運動器リハビリテーションを行うにつき十分な施設を有していること。
(4)運動器リハビリテーションを行うにつき必要な機械、器具が具備されていること。


175点

160点


80点

発症早期からのリハビリテーションの充実

発症早期からのリハビリテーションの充実を図るため、疾患別リハビリテーションの早期リハビリテーション加算を引き上げる。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
H000
H001
H002
H003
【早期リハビリテーション加算】
(1単位につき)


30点
【早期リハビリテーション加算】
(1単位につき)


45点

維持期のリハビリテーションについて

維持期のリハビリテーションについては、平成21年度介護報酬改定において充実が図られたが、その実施状況に鑑み、今回の診療報酬改定においては、介護サービスとしてのリハビリテーションを提供することが適切と考えられる患者に対して介護サービスに係る情報を提供することを要件として、維持期における月13単位までのリハビリテーションの提供を継続する。

がんに対するリハビリテーションの評価

がん患者が手術・放射線治療・化学療法等の急性期治療を受ける際、これらの治療によって合併症や機能障害を生じることが予想されるため、治療前あるいは治療後早期からリハビリテーションを行うことで機能低下を最小限に抑え、早期回復を図る取り組みを評価する。

区分改定後新点数
H003がん患者リハビリテーション料(1単位につき)
200点

【算定要件】
(1)対象者に対して、がん患者リハビリテーションに関する研修を終了した理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が個別に20分以上のリハビリテーションは提供された場合に1単位として算定する。
(2)がん患者に対してリハビリテーションを行う際には、定期的な医師の診察結果に基づき、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション計画を作成すること。
(3)がんのリハビリテーションに従事する者は、積極的にキャンサーポードに参加することが望ましい。
【施設基準】
(1)がん患者のリハビリテーションに関する経験(研修要件あり)を有する専任の医師が配置されていること。
(2)がん患者のリハビリテーションに関する経験を有する専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の中から2名以上が配置されていること。
(3)100u以上の機能訓練室があり、その他必要な器具が備えられていること。
【対象患者】
(1)食道がん・肺がん・縦隔腫瘍・胃がん・肝臓がん・胆のうがん・膵臓がん・大腸がんと診断され、当該入院中に閉鎖循環式麻酔により手術が施行された又は施行される予定の患者
(2)舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、その他頸部リンパ節郭清を必要とするがんにより入院し、当該入院中に放射線治療あるいは閉鎖循環式麻酔による手術が施行された又は施行される予定の患者
(3)乳がんに対し、腋窩リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術が施行された又は施行される予定の患者
(4)骨軟部腫瘍又はがんの骨転移により当該入院中に患肢温存術又は切断術、創外固定又はピン固定等の固定術、化学療法もしくは放射線治療が施行された又は施行される予定の患者
(5)原発性脳腫瘍又は転移性脳腫瘍の患者で当該入院中に手術又は放射線治療が施行された又は施行される予定の患者
(6)血液腫瘍により当該入院中に化学療法又は造血幹細胞移植を行う予定又は行った患者
(7)がん患者であって、当該入院中に骨髄抑制を来たしうる化学療法を行う予定の患者又は行った患者
(8)緩和ケア主体で治療を行っている進行がん、末期がんの患者であって、症状増悪のため一時的に入院加療を行っており、在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要な患者

難病患者リハビリテーションの評価

難病患者リハビリテーションについて、退院後の集中的なリハビリテーションを評価する観点から、難病リハビリテーション料の引き上げることにより、療養上必要な食事を提供した場合も包括して評価を行うとともに、短期集中リハビリテーション実施加算を新設する。
また、精神科デイ・ケア、重度認知症デイ・ケア等についても同様の見直しを行う。

区分 改定前 旧点数 改定後 新点数
H006 【難病患者リハビリテーション料】
(1日につき)
注2 難病患者リハビリテーション料を行った場合に食事を提供した時は48点を加算する。


600点
【難病患者リハビリテーション料】
(1日につき)

短期集中リハビリテーション実施加算
(1日につき)
退院後1月以内
退院後1月超え3月以内

640点



280点
140点
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